つくることにはストーリーがあり、嬉しい時も悲しい時もあります。そこには人知れず色々な感情があるでしょう。今回はそんな喜怒哀楽をテーマに、普段は印刷や機械部品など様々な用途に使われる金属メッシュの端材を用いた作品の展示を行います。ここでしか見れない金属メッシュとクリエイターが生み出す物語をどうぞご覧ください。

<大阪展>
開催日時
2024年11月23日(土)9:30ー18:45 オープニングパーティー:16:30ー18:45
2024年11月24日(日)9:30ー18:00

展示場所
THE GUT’S GALLERY(THE GUT’S COFFEE 3階)
大阪市北区中崎3-2-29

<東京展>
開催日時
2025年2月8日(土)13:00ー19:00 オープニングパーティー:17:00ー19:00
2025年2月9日(日)11:00ー18:30

展示場所
PREMIER STUDIO STUDIO2 
東京都渋谷区神宮前2-21-13

<参加メンバー>
吉澤健太 WEB instagram
川本真也WEB instagram
澤田幸希 WEB instagram
今村航 WEB instagram   
清水康平 instagram
竹本有沙 instagram
宮下ゆり instagram
永田和幸 WEB instagram

端材提供
アサダメッシュ株式会社

作品

感情の羽 吉澤健太(デザイナー)
金属の端材を繋ぎ合わせたアクセサリー。T 字型で穴のある金属端材を繋ぎ合わせたときに、見た目のとげとげしさと金属の光沢から、どこかの民族のリーダーがつけている古来から伝わる強さのようなものを感じました。そのような背景から各パーツを錆させる演出をすることで、アクセサリーの印象がより荒々しくも神秘的なものへとなりました。結果、工場から生まれた金属端材という機械的なものであるのに、違う感覚を感じさせてくれるプロダクトへ変わりました。ジグザグリーの錆は日を追うごとに増してきて、形自体が崩れてしまうかもしれません。しかし、その分、存在価値というものが増してくるでしょう。

廻廻嬉嬉 川本昌也(プロダクトデザイナー)
「怒」や「哀」の感情との対比により「喜」「楽」の感情が成り立つということを考えると、これら4つの感情は互いに影響し必要不可欠な関係であると言える。常に一つの感情だけがずっと続くことはなく、廻り刻々と変化するものである。「廻る感情はすべて最終的に”喜”に帰結する」ことが理想と考え、初めは一本の細い糸が何本も重なって束になり、それを円筒にすることによりまた1本へと還元させる、という循環の構成を表現したオブジェを製作。使用した端材も通常廃棄されてしまうものだが、本プロジェクトを通し新たな形に昇華されることで、輪廻循環の輪の中に入り込む。
MAOI
柱の形状は同じでそれが伸びたり縮んだり増えたりしながら、人との接点である天板の形のみが変わることで、都度変化する喜怒哀楽と変わらない自分という軸を表現。端材ならではのコントロールできない独特で複雑な表情は、均一化されていない唯一無二の個性を表現している。

No rain Oh sunny 澤田幸希(照明デザイナー)
傘は雨の日に使うもの。日除けに使うもの。悪天候であったり自然から自分を防ぐために使うため出かけることが億劫になる。荷物にもなる。そんな感情の時に使用することが多い製品だが、喜びや楽しさを感じるものにできるのではないかと考えた。メッシュを通して景色を見た時、光や物の見え方がとても面白いと感じた。特に照明の光はメッシュを通して虹色のプリズムがたくさん発生してみえる。外では太陽に当たることでメッシュが多様な表情を持ち、傘が綺麗に見える。メッシュ素材で構成された傘を晴れた日にさしたり、室内で利用することで日常と違った景色を体験できるだろう。室内や晴れた日に傘をさして楽しむ人々がいる光景もまた面白い。楽しい、面白い景色を体験していただけたら嬉しい。

study 存在論的デザインをうけての習作 今村航(グラフィックデザイナー)
ライフワークと称して無対象な直線ばかり制作をしている。今回は、経糸を1本ずつを取り出し、快不快の赴くままに糸を張っていった。感覚に頼ることが「喜怒哀楽」を表現する方法だと思ったからだ。極細ゆえにほとんど見えない糸だが、角度を変えて眺めてみると、光を受けて現れる姿が美しかった。直線という造形の最小単位に近いものを扱っていると、いかに作品をコントロールしようとしても、見る角度によっては、全く別の姿になることがよく分かる。作品も作者を、鑑賞者をコントロールしようと振る舞うようだ。未知の素材を用いて直線と向き合う「喜・楽」から始めた制作だったが、繊細な素材はその制作過程においてむしろ、自らに「喜怒哀楽」を体験させるものだった。

愚工 清水康平(アーティスト)
かつて七草に数えられ愛されたススキは、今や雑草として切り捨てられる存在となった。そのような現状で、私は廃棄されるはずの人工物を拾い上げ手を加えることで、ススキの持つ美しさを感じ得ようと試みた。人工物を生むための、土台として造られた道具を加工し、丁寧に廃棄物を植え付けていく。ススキは人が土壌を耕す必要などなく、自らで力強くそそり立つにも関わらず。私たちは、自然の美しさに感動しながらも、同時に自然を破壊し、人工物を作り上げてきた。そして、その人工物の中で再び自然の美しさを求めるという、矛盾を繰り返す。この矛盾は、単なる愚かさでなく、むしろ人間の複雑な心や創造性の表れと言えるかもしれない。この作品はその象徴となる。

20. 竹本 有沙(プロダクトデザイナー)
常に私たちは複数の感情を交えながら生きているのではないか。人には表面に映る感情のほかに、心に秘めている感情があるのだ。表面では悲しんでいるが、内心嬉しい時、また、表面では怒っているが、内心では楽しんでいるなど様々だ。今回は「現在の私」を作品に表現をしながら制作をした。無限の可能性を秘めているが、人間関係や今後の将来や自分自身のやるせなさについて日々自問自答をしている。しかし同時に、たくさんの人に恵まれながら日々楽しみ、着々と成長し続ける姿に喜びながら輝き続けている。この作品を見ながら、どんな気持ちが入り混じってると思うか、自分と照らし合わせてみると面白いかもしれない。

Root of Metal fabric 宮下 ゆり(アーティスト)
本来であれば廃棄されるはずだった金属織物の端材は、その巡り合わせから根源的なところに遡るような哀しさを秘めている。そうしたイメージで「根」のインスタレーション作品を制作した。根は植物を支える重要な役割を果たしているが、土の中にあるため私たちには見えない。今回扱う端材も同様に、普段私たちの目に触れることはないが、製品が生まれる過程において不可欠な存在であり、それはまさに「ルーツ」と言える。目には見えないけれど確かに存在する、様々な繋がりを意識してもらえるような作品を目指した。

ヤマノモアレ 永田和幸(フォトグラファー)
私のバックボーンには山がある。私の故郷は奥大和と呼ばれる深い山々のその更に奥地である。嬉しい時も哀しい時も顔を上げると山があった私は、都会に住む今も山を見ると心が躍り、衝動的にシャッターを切る。昔の人も山に対して様々な感情を抱いていたそうだ。神々が宿り、水が沸き、生命が息づく山は信仰の対象として人々に切にされてきたのである。21世紀においても人は信念に従い、時にバックボーンに影響されるが、私も例外ではない。メッシュが織りなす起伏から本能的に山々を連想し、織り地と光の角度で見え隠れする山のシルエットを探すことに没頭した。深夜のスタジオで山のスナップ写真が撮れる喜びは初めてのものだった。

Photo by WACOH


メンバー紹介

吉澤健太(デザイナー)

1994 年東京都生まれ。KENTA YOSHIZAWA STUDIO として、大阪と東京を拠点に活動中。商品開発を中心に行う。動物の形や自然のテクスチャに興味、関心を持っている。
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川本昌也(プロダクトデザイナー)

1990 年神奈川県生まれ。フリーランスのデザイナーとして東京を拠点に活動中。気遣いのある普遍的な製品づくりと、素材や技術・構造からのアプローチによる新しい価値観やかたちの探究を行う。
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澤田幸希(照明デザイナー)

1995 年東京都生まれ。照明メーカーにて飲食・物販店のライティングデザインを担当。趣味でパラメトリックアート、写真を行なっている。
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今村航(グラフィックデザイナー)

奈良県生まれ。株式会社MERRY BEETLE 、チーフデザイナー。VIやカタログなどのビジュアルデザインに携わる。個人的な関心から、プライベートワークとして直線を用いた作品を制作している。
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清水康平(アーティスト)

福岡県生まれ。京都を拠点にメーカーにてデザインコンサルティング業務を担当。多様なジャンルのデザインを行いながらアーティストとしても活動。
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竹本有沙(プロダクトデザイナー)

2004年愛知生まれ。愛知県にある大同大学にてプロダクトデザインを学んでいる。現在、プロダクトだけではなく、幅広い分野のデザインを挑戦している。
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宮下ゆり(アーティスト)

1999年新潟県生まれ。
自然のなかに自身が介在する故に発生する事象や、それにまつわる体験をもとに、人々の心の拠りどころや居場所となるようなインスタレーションを制作している。
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永田和幸(フォトグラファー)

1994 年大阪府生まれ。WACOH として広告撮影や作品制作を行なっており、写真から感じられる空気や湿度を大切にしている。日々変化する社会と写真の関係性に関心があり、2024 年からはドキュメンタリー作品を制作予定。
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